【2024年最新版】BtoB向けのECサイトのマーケティング大全|検討すべき3つの手法を紹介

BtoBマーケティング

本記事では、BtoB向けのECサイトのマーケティングに関して解説いたします。

 

BtoB向けのECサイトとは、「名刺発注」「オフィス家具」「文房具」「PCリース」「トラック販売」「法人向けオリジナルTシャツ」「看板製作」「名入れカレンダー」などです。

なぜBtoB向けのECサイトでマーケティングが必要なのか

近年、インターネットの普及によりEC市場は著しい成長を遂げています。あらゆる領域でデジタル化が進み、EC市場にも多くの企業が参入しています。その結果、どの業界もEC市場はレッドオーシャン化し、商品やサービスを単にリストアップしただけのECサイトではユーザーから選ばれません。

 

これからもEC市場は拡大するでしょう。後発企業がどんどん市場に参入してくることも容易に想像できます。後発企業は先行企業のビジネスモデルを参考にしながら「価格勝負」で一気にシェアを奪いにくることを考えると、必然的に先行企業も価格競争力が求められます。

 

そこで、値下げやキャンペーン合戦に応じるのも戦略ではありますが、資金力が求められるためあまり得策ではありません。価格だけに焦点を当てたビジネスモデルは長期的な持続性に欠けます。

 

こうした疲弊から脱却するためにも、品質、顧客サービス、ブランディング、UIUXなどマーケティング戦略が重要になってきます。市場のトレンドを理解し、消費者の行動にあわせてサイトのUIやUXを改善したり、、ですね。

 

実務的な部分に焦点を当てると、複数企業がEC市場に参入することでユーザー側も「選択肢」が増えています。

 

その結果、初回購入からのF2転換率が下がったり、カート落ち(かご落ち)も増えている企業が多いです。

 

こうした要素においても「購入後のフォローアップメールをどうするか」「顧客の過去の購入履歴に基づいた推奨商品を提示するか」などのマーケティング活動で改善することができます。

BtoB向けECサイトのマーケティング戦略の考え方

ここからは具体的なマーケティング戦略を考えるためのステップを紹介します。

 

0から戦略を構築するのは工数がかかりすぎてしまうため、既存のフレームワークを組み合わせて戦略を考えましょう。ただし、フレームワークの具体的な使い方はネットで調べて頂ければ出てくるかと思いますので、本記事ではどのフレームワークをどの順番で使うのかを紹介します。

 

まず最初にPEST分析と呼ばれる方法で「業界を取り巻く外部環境」を分析しましょう。経済成長率や仕入れ価格や原料問題の動向、消費者のライフスタイルの変化、電子取引における法規制などマクロな視点で全体を俯瞰します。

 

次に3C分析と呼ばれる方法で「業界の内部環境」を分析しましょう。

 

自社の強みと弱み、競合の強み、消費者のニーズなどを把握します。これらを分析することで業界内における各社のポジショニングが見えてきます。「この会社はAに強いな」「こっちはBに強いな」「反対にCの切り口は誰もやっていないな」などなど。

 

次にSTP分析と呼ばれる方法で「市場を細分化し自社が取るべきポジション」を分析しましょう。

 

業界をどうセグメントするか、がかなり重要なため単一で考えず、いくつかのパターンを試しながら検証しましょう。この分析で「短納期重視(=注文から発送までの短さ)」をターゲットとするのか「発注ロット数の多さを重視する企業」なのか等を決めるイメージです。

 

そして最後が4P分析と呼ばれる方法で「戦略を実現するための戦術」を分析しましょう。自社が持つ経営資源からコストやプロモーションの手段を具体的に決めます。この各論部分が最も知りたい情報かと思いますので、次の章で深く解説します。

BtoB向けECサイトで取り組むべきマーケティング施策

既に実施されている企業が多いかとは思いますが、デジタルマーケティングは必須です。SEOやSNSマーケティング、オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングなどがありますが、BtoB向けECサイトで重要施策の一つが「Web広告」です。

Web広告が重要な理由は、以下2点です。

・コンテンツマーケティングに比べてコントロールし易い施策のため、立ち上げ初期からサイト訪問者を増加させることが可能
・費用対効果が合う範囲で広告出稿を調整可能

 

次に挙げられるのがDMやポスティング等のオフライン施策です。

 

これは自社で実施するパターンもあるかと思いますが、その業界で一定認知を獲得している会社に依頼するのも手です。例えば、飲食業界向けのBtoB ECサイトであれば、ぐるなびや食べログからDMを送ってもらった方が反応率が高いです。

 

こうした会社はクライアント(飲食店など)に定期訪問していたり、新店開業や集客のコンサルティングを行っています。初めましてのECサイトからDMが届くよりも、親しみのある担当からDMをもらった方が素直に反応してもらえるため、かなり効果的です。

【BtoB向けECサイト】デジタルマーケティングのポイント

Web広告は全てROAS運用を行う

一般的なWeb広告は「ユーザーがどんな行動を取ったらCVとするか」を設定し、そのCV数が増えるよう広告を配信することが多いです。

 

ECサイトも購入をCVと設定することで売上増加を目的とした広告配信を設計できますが、実際には商品ごとに単価が違ったり利益率が変わってきます。そうなると、1件のコンバージョンといっても「価値」が全く違います。

 

そこで活躍するのがROAS運用です。ROASとは「Return On Advertising Spend」の略称で費用対効果を確認する指標です。

 

で、どうやって設定するかですが、大きく2パターンあり「①広告管理画面上で設定する②タグで商品単価を取得し管理画面やGA4へ値を返す」です。①については広告管理画面の「ツールと設定>測定>コンバージョン」で設定できます。

①広告管理画面上で設定する場合

この場合は商品ごとに設定する値を変えることができないため、「コンバージョンが発生したら〇円の価値が生じたものとする」という設定になります。

 

本来の意味でROAS運用とはいかないので注意が必要です。ただし、複数のコンバージョンを設定していたりマイクロコンバージョンを設定している場合は、管理画面で設定するだけでも意味はあります。

 

例えば、「カート追加」「決済ページ到達」「購入」「会員登録」の4種類をコンバージョンとして設定していたとします。コンバージョン最大化などの入札戦略を適用していると、この4種類の総数が最大化するよう機械学習が機能します。その結果「カート追加はするがなかなか注文してくれないユーザー」に配信が寄ることもあり得ます。

 

そこで各コンバージョンに対して「価値」を割り振ります。「カート追加は1,000、決済ページ到達は1,000、購入は8,000、会員登録は2,000」などです。

 

これらを設定し、入札戦略を「コンバージョン値の最大化」を設定することでCV数ではなく「設定したコンバージョン値」が最大化するように機械学習が機能します。普通のCV最大化よりも、より売上や利益を意識した広告配信ができるようになります。

②タグで商品単価を取得し管理画面やGA4へ値を返す

こちらはシステム担当者の協力が必要になります。

 

通常のCVタグに加えてdatalayerなどを活用して動的に商品価格を取得し、広告管理画面やGA4に値を返す手法です。サイトによって実装方法や可否が変わるため断定はできませんが、ECサイトであればお金をかけてでも実装すべき機能です。

 

また、現在広告代理店へ委託しており、こうしたROAS運用の話が出ていない場合は要注意です。

 

やらない理由がないどころか、やらないことが大きな機会損失に繋がります。必ず実装するようにしましょう。

検索広告のアカウント構成は適度に細分化する

広告媒体は機械学習をしっかりと行うためにデータが分散しないようキャンペーンや広告グループを統合することを推奨しています。ですが、ECサイトのように商品カテゴリが多く、場合によっては同一ドメイン内で複数のブランドが存在するケースでは逆効果となることもあります。

 

というのも、前述のROAS運用パートでも解説したように、商品やブランドによって売上や利益も違う中、キャンペーンや広告グループをまとめてしまうと、ROASを最大化させるような広告運用はできません。

 

また、カテゴリが2つであれば良いかもしれませんが、商品点数が数万点を超えてくると1つのキャンペーンや広告グループで、細かく成果を管理することは現実的ではありません。

 

弊社でおすすめしているのがキャンペーンは1つにまとめ、広告グループをカテゴリーで細分化する方法です。

 

その際、広告グループ名に「大カテゴリ中カテゴリ_小カテゴリ」としておくと、CSVでダウンロードした際に区切り位置の機能を使えば集計しやすいです。もし特定のカテゴリは予算を切り出して管理したい等があればキャンペーンとして切り出して管理していきましょう。

 

「主力商品」「新商品」「その他」で分けると、主力商品は定番や売れ筋をグルーピングし、新商品はスポットで配信を強化したい場合に、その他はニッチだが需要があり売れる商品などをグルーピングすることが多いです。(※商材や配信目的によってアカウント構成は変わります)

ディスプレイ広告は「納期」「発注ロット」「支払方法」の軸で訴求を作る

BtoB向けのECの場合、どのサイトで購入するかを決める要素として「納期」「発注ロット」「支払方法」の3つがあります。

 

急ぎであれば納期が短い事業者を選びますし、ロット数が多いのでディスカウントしてくれる事業者が良い場合もありますし、その時々によってニーズは変わってきます。

 

まず、納期に関する訴求では「注文から何日で納品できるか」を伝えるかと思いますが、実は競合をみていると「〇時までの注文なら翌日納品」などで訴求しています。自社の流通チャネルでどこまでできるかもありますが、できれば「〇時までの注文なら翌日納品」の訴求をおすすめします。

 

この訴求で反応するユーザーは「今すぐは必要ないが、うちの会社は短納期じゃないと間に合わない」という潜在的な悩みに向けて訴求できます。

 

本当に今すぐ必要なユーザーは検索行動を起こしていると思うのでディスプレイ広告でニーズを拾うことはできませんが、過去に短納期で発注した経験があったり、そもそも会社の企業体質として「短納期」が求められることに頭を抱えている担当者には刺さります。

 

次に発注ロットの訴求では、ロット数が多くディスカウントを希望している事業者を意識した訴求です。

 

全体のボリュームからみるとターゲットとなる事業者は少ないですが、イベントでニーズが発生するケースもあるため実は成果が出る訴求です。そして、反対に低ロットから受付できる訴求も当たります。

 

顧客単価が下がったり、発送までのコストを踏まえた利益率の観点で判断が難しいですが、企業規模が大きくなくロット数も小さいため受け付けてくれるサイトを探している企業もいます。利益的に許すのであれば小ロット訴求もぜひ試してみてください。

 

そして、最後が支払方法です。

 

こちらも規模がそこまで大きくない事業者向けとなるため、利益の観点で判断する必要がありますが、訴求軸としてはかなり成果が出ます。

 

一般的にはクレジットカード払いや口座振替が多いですが、最近では電子決済に対応するECサイトも増えてきました。また、規模が小さめの企業ではコンビニ払いの需要が多いため、あえてSMB領域の獲得を目指すならコンビニ払いに対応していることを強くアピールすると効果的です。

【まとめ】BtoB向けECサイトはCPAだけでなくROASで成果を判断することが重要

各業界でEC化が進んでいます。

 

後発企業は先行企業のビジネスモデルを参考にしながら「価格勝負」で一気にシェアを奪いにくることを踏まえて、レッドオーシャンを勝ち抜いていくためのマーケティングが重要です。本記事で紹介したようなマーケティング施策を実行しつつ、消費者(もっと言うと既存顧客も)から第一想起を獲得することを意識してみてください。

 

ただ、業界ならではの当たり事例や成功パターン、やった方が良い施策などは自社だけで見つけていくのは結構大変です。

 

大企業であればこれらを実行できるかとは思いますが、中堅・中小企業であれば「最小限のリソースで、最短のルートで、最大限の成果」を出す必要があるかと思います。

 

もし「限られた予算、リソースで何からやるべきなのか、、」とお悩みでしたらぜひ弊社までご相談ください。

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