【2024年最新版】電力/ガス業界のマーケティング大全|検討すべき3つの手法を紹介
目次
なぜ電力/ガス業界でマーケティングが必要なのか
電力ガス業界に限った話ではありませんが、近年、マーケティングの重要性が上がっています。その中でも特に電力ガス業界はマーケティングが必要だと考えています。
電力やガスは消費者にとって欠かせないライフラインでありながらも、各社のサービスは似通っておりコモディティ化しやすい商材です。これまでA社と契約していても、引っ越しのタイミングであっさりB社に変えてしまったり、、。消費者の生活の中で「この会社がいい」というはっきりとした想起を獲得しづらいです。
よって、電力ガス業界では単に商品としてサービスを提供するだけではなく、ブランドとしてイメージ作りに励み、サービスを通した顧客体験によって競合との差別化を図る必要があります。
これがまさに「マーケティング」です。
電力ガスは無形商材で消費者が「このサービス良いね、使いやすいね」と評価しづらいです。マーケティングを通じてブランディングや競合差別化を図ることが、業界内での競争優位性を築き長期的な顧客関係に繋がっていきます。
電力/ガス業界のマーケティング戦略の考え方
ここからは具体的なマーケティング戦略を考えるためのステップを紹介します。
0から戦略を構築するのは工数がかかりすぎてしまうため、既存のフレームワークを組み合わせて戦略を考えましょう。ただし、フレームワークの具体的な使い方はネットで調べて頂ければ出てくるかと思いますので、本記事ではどのフレームワークをどの順番で使うのかを紹介します。
まず最初にPEST分析と呼ばれる方法で「業界を取り巻く外部環境」を分析しましょう。経済成長率やエネルギー問題の動向、消費者のライフスタイルの変化、電力取引におけるIT進化などマクロな視点で全体を俯瞰します。
次に3C分析と呼ばれる方法で「業界の内部環境」を分析しましょう。自社の強みと弱み、競合の強み、消費者のニーズなどを把握します。
これらを分析することで業界内における各社のポジショニングが見えてきます。「この会社はAに強いな」「こっちはBに強いな」「反対にCの切り口は誰もやっていないな」などなど。
次にSTP分析と呼ばれる方法で「市場を細分化し自社が取るべきポジション」を分析しましょう。業界をどうセグメントするか、がかなり重要なため単一で考えず、いくつかのパターンを試しながら検証してみてください。
この分析で「環境に配慮した電気を求めるエコ意識の高い顧客」をターゲットとするのか「コストを重視する都会に住むファミリー層」なのか等を決めるイメージです。
そして最後が4P分析と呼ばれる方法で「戦略を実現するための戦術」を分析しましょう。自社が持つ経営資源からコストやプロモーションの手段を具体的に決めます。この各論部分が最も知りたい情報かと思いますので、次の章で深く解説します。
電力/ガス業界で取り組むべきマーケティング施策
既に実施されている企業が多いかとは思いますが、デジタルマーケティングは必須です。
検索エンジンから集客するSEO、SNSマーケティング、オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングなど。昨今、ほとんどの消費者が自らデジタル情報を使って比較検討を行います。
その際に接点を持てるかが重要なため、デジタルマーケティングは欠かせません。
この他にも電力ガス業界であれば、DMやポスティング等のオフライン施策、既存向けのメールマーケティング、地域特化のイベントマーケティングなども有効です。
少し毛色が違いますが、SDGsで環境意識が高まっていることを考えると、サスティナビリティに特化したプロモーションでエコ意識が高い顧客層にアプローチするのも有効ですね。
【電力/ガス業界】デジタルマーケティングのポイント
指名検索を増やすことを目指す
具体的な施策や手法を紹介していきますが、大前提として「指名検索を増やすことこそ正義である」を念頭において頂ければと思います。ただ、これだけお伝えすると誤解を招いてしまうかと思いますので、電力ガス業界ならではの背景とセットで意図をお伝えしたいと思います。
マーケティングの重要性でもお伝えしていたように、電力ガス業界はコモディティ化しやすい市場であり業界内の競争優位性を作っていくのが難しいです。
そんな中、安定して集客しつつ新規獲得を続けるために大切な観点が「指名検索」です。
指名検索で流入するユーザーは既にブランドを認知しており、企業に対して一定の信頼をおいている状態と言えます。(※それ以外の場合もあるかと思いますが、、)
例えば、電気代やガス代に関する悩みが出た場合に指名検索されたり、友人や知人経由でサービスを認知したユーザーが指名検索をしたり。こうしたユーザーはCVRが高い傾向があり、新規で集客してコンバージョンを獲得する取り組みよりもCPAが安いです。
また、指名検索を行うほどブランド認知が進んでいれば、引っ越しをするタイミングや、家庭のライフスタイルが変わるタイミングでも「この会社で契約しよう」となり、他の新規顧客よりもLTVが高いです。
インターネット広告市場と同様に、電力ガス業界でもリスティング広告(検索連動型広告)のCPCが高騰しつつあります。リスティング広告は顕在層にリーチできることから、費用対効果も合いやすく、各社が優先して投資している領域です。
これから市場に参入する企業や、これから拡大を控えている企業からすると「まずはリスティング広告から始めよう」となるかと思いますが、CPC高騰がある中でCPAを合わせるのは難しくなっています。
これから紹介する施策を実行しながら指名検索を増やし、CPAを抑制しながらLTVが高いユーザーを獲得していくことが、今後の電力業界では必要と考えています。
検索広告の広告文に地域名を、ディスプレイ広告は価格訴求が鉄板
デジタルマーケティングの中でも優先度の高い施策であるリスティング広告(検索連動型広告)と、ディスプレイ広告に絞って紹介します。
まずリスティング広告では「地域名を広告文に挿入」を必ず実施しましょう。電力自由化によって他県にある電力会社とも契約できるようになっていますが、それでも消費者は「自分の地域で契約できる会社」を調べます。よって、広告文で地域名を挿入することで自分事化してもらいやすくなりCTR改善に繋がります。
なお、実行する際には「地域の挿入機能」を活用しましょう。レスポンシブ広告は15本の広告文しか設定できないため、地域数が多くなるとそれだけで枠を使い切ってしまいます。そこで活躍するのが挿入機能です。
この機能を活用することで1つの広告枠で複数の地域に対応した広告文を生成できます。例えば「 {LOCATION(City)}で人気の電力会社」とすると、ユーザーの所在地や検索された地域に合わせて可変で「東京で人気の電力会社」「大阪で人気の電力会社」と表示することができます。
また、他の業界では悪手と言われる「競合名への配信」も実は有効です。
電力会社を探しているユーザーは結構長い期間にわたって比較検討を行います。
「契約商材」であることから衝動買いはなくしっかりと調べてから態度変容が起きています。そのため、競合名で検索しているユーザーであっても「比較検討中」になるため、そのユーザーに対して「自社だけのUSP」を訴求するとCVしてくれます。
そして、意外とやっていない企業が多いのが「LPに簡易シミュレーションを搭載する」です。
電力会社やガス会社を検討するユーザーのうち、金額を気にしないユーザーはほぼいません。必ず料金表を確認して現在の契約会社よりも安くなるか確認します。
つまり、LPにその機能がなければほぼ100%離脱することになります。
非常にもったいないため必ず簡易シミュレーションを搭載しましょう。全て選択式にしておけばそこまで実装難易度は高くないです。
続いてディスプレイ広告ですが、やはり価格に関する訴求が当たります。
契約オプションや心理的安全性(かけつけサービス等)の軸でも検証しましたが、消費者は「もっと安い会社ないかな」でしか契約先を切り替えないため、結局は価格に関する訴求が最も良いです。
特にSNSマーケティング(広告)では、タイムラインで広告が馴染んでしまうとクリックされないため、金額を大々的に訴求することでインパクトを出すのも大切です。
またデザインの話になりますが、実写系の素材を使うよりも、漫画やイラストなどのテイストの方がCVRが高い傾向にあります。これはどのSNSを使うかによって変わるかとは思いますが、ブランディングの観点と相談しながらうまく活用したいですね。
DMやポスティングでは”ベネフィット”に昇華して伝える
実は意外と効果的なのがDMやポスティング等のオフライン施策です。
デジタルマーケティングと違って派手さはないため、施策として軽視されがちですが確実にターゲットに届くメリットがあります。
デジタルマーケティングも「ターゲティング」ができますが、これはあくまでプラットフォームが「このユーザーは日頃こういうコンテンツを見ているから〇〇に興味があるはずだ」と推察したデータです。一方でオフライン施策はほぼ確実に狙ったユーザー群にリーチできます。
ただ、オフライン施策もただ闇雲にチラシを作って送付するだけでは効果が出ません。
ポスティングを提供している会社によって違いますが、ある程度の粒度でセグメントを区切ることができるはずです。セグメントに合わせてチラシをカスタマイズしてみてください。
例えば、ファミリー世帯が多いセグメントに対しては、契約先変更による金額メリットを「週〇回分の外食」「月〇回分の旅行」などで表現すると、ベネフィットを想起しやすく反応率を劇的に上げれます。
注意点としてはQRコードを載せてもなかなかサイトまで来てくれない点です。
オフライン施策ということもあり、QRコードでサイトへ誘導しインターネット申し込みを期待しても結果に繋がりづらいです。若干コストもかかってしまいますが電話相談窓口を設けた方がCVを取ることができます。
ライフスタイルに変化に備えて認知を獲得する
こちらもデジタルマーケティングと違って派手さがないため軽視されがちですが、既存向けのメルマガ施策も馬鹿になりません。
これは自社の顧客層やターゲットとするユーザー属性にもよりますが、学生が多ければ就職のタイミングで引っ越す方が多く接点が切れてしまったり。ファミリー層が多ければライフスタイルの変化に合わせて電力会社を見直す場合が多いため、そこでも接点が切れてしまうこともあります。
このように、消費者であるユーザー側のライフスタイルは日々変化しています。
この変化が起きるタイミングで「引っ越し先でもA社を継続しよう」「子供ができるから契約プランを変えようかな」などライフスタイルに合わせて自社を想起してもらうことが重要です。
こうした観点からも既存向けのメールマーケティングは非常に重要です。送る内容を企画したり、頻度を模索したり、時にはクレーム対応なども発生することもあります。
何もしない時よりも工数は増えますが全体で見た場合に1ユーザーあたりのLTVは改善していくはずです。
【まとめ】電力/ガス業界はマルチメディアで取り組み、指名検索を増やすことが結果に繋がる
電力ガス業界は、無形商材であることから競合差別化が難しくコモディティ化しやすい商品です。
そんな業界内の競争で勝ち残っていくにはマーケティングが重要です。本記事で紹介したようなマーケティング施策を実行しつつ、消費者(もっと言うと既存顧客も)から第一想起を獲得することを意識してみてください。
ただ、業界ならではの当たり事例や成功パターン、やった方が良い施策などは自社だけで見つけていくのは結構大変です。
大企業であればこれらを実行できるかとは思いますが、中堅・中小企業であれば「最小限のリソースで、最短のルートで、最大限の成果」を出す必要があるかと思います。
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