【決定版】リスティング広告の改善ポイントをMECEに分析する方法を解説
目次
リスティング広告でよくある課題
リスティング広告は特定のキーワードで検索するユーザーに検索結果画面の上部もしくは下部に広告を表示できます。その特性上、顕在層に絞ってリーチさせることもできインターネット広告の中では費用対効果が高いとされています。
しかし、リスティング広告は他のインターネット広告と比べて触ることのできる運用レバーが多く、初めてリスティング広告をした方からするとキーワードとクエリの違い、配信時と除外時のマッチタイプの挙動の違いなど「何をどのように分析し運用すれば良いか分からない」となることが多いです。
特に社内で内製化してリスティング広告を運用している方(初学者)は、結局何をしたら良いか分からず広告文しか変えていない、除外対応もざっくりになる場合も少なくないかと思います。
とはいえ、リスティング広告は分析と改善を続けることが重要です。以降で紹介するポイントを抑えて改善に取り組んでみてください。
リスティング広告を改善する際の注意点
リスティングを改善する際の注意点は以下3つです。
・改善すべき指標をMECEに分析する(※MECE=漏れなく/重複せず)
・目的のない改善は行わない
・改善と振り返りをセットにする
リスティング広告は運用レバーが多く、ついつい目の前の指標に気を取られてしまいますが、ミクロで見ると悪化傾向でもマクロで見ると改善傾向の場合もあります。
まずは媒体(GoogleリスティングとYahooリスティングを比較してみる等)、その後キャンペーンや広告グループ、最後にキーワードやクエリ、その他の調整項目の順で確認するようにしましょう。
また、ただ闇雲に運用調整するのではなく、必ず「この指標をこうしたいから入札価格を上げてみる」など目的を明確にすることを意識しましょう。
今この瞬間はその指標を改善すべきと考えていても、目的に立ち返って整理してみると「実は別の指標を改善すべきだった」ということも考えられます。
必ず目的を整理してから改善指標を見つけてください。
その際、実施して終わるのではなくその調整によって目的が達成できたのか、その要因を考察し次に活かすことも忘れずに行いましょう。
リスティング広告の運用レバー
リスティング広告では大きな粒度でいくと「キャンペーン」「広告グループ」で運用レバーがあります。多くの場合、会社名やサービス名に関するキーワードを登録する「指名キャンペーン」とそれ以外の一般的なキーワードを登録する「一般キャンペーン」に分けられます。
さらに細かくなっていくと、「キーワード」「検索クエリ」があり、キーワード単位で配信のオンオフや強弱を付けることができます。もっと細かくなると「デバイス」「曜日と時間帯」「年齢と性別」「世帯年収」などでも配信のオンオフや強弱を付けることも可能。BtoB向けのサービスであれば土日の配信を止めたり、BtoC向けのサービスであれば土日に配信を寄せたり等の調整ができます。
また、リスティング広告で使うシーンは少ないですが興味関心や購買意向のターゲティングリストを紐付けて配信することもできるため、さらに確度の高いユーザーに配信することもできます。
ただ、リスティング広告は「特定のキーワードを検索した人に広告を表示する」特性上、ここからさらに興味関心で絞る必要があるかは検討すべきです。リストを紐付けて深く配信できますが配信量は減ってしまうため注意しましょう。
リスティング広告でCV数を増やしたい場合の対策
クリック数を増やす施策を実行する
コンバージョンを増やしたい場合、そもそものサイトやLPに流入する母数を増やすことで比例してコンバージョン数も増やすことができます。リスティング広告でクリック数を増やすための施策例をご紹介します。
①予算によるimp損失を解消する
リスティング広告に限らず、全てのインターネット広告に共通して言えることですが「機会損失なくターゲットに配信する」ことができれば理想です。
しかし、広告予算やターゲットの広さによっては現実的ではない場合もあるかと思います。そんな中でも限りなく理想に近づけるために見るべきなのが「予算によるimp損失がないか」です。
予算によるimp損失とは、現在設定している日予算に対して配信できる余力があるかどうかを示しています。imp損失が大きい場合は配信できるターゲット数に対して予算が不足していることを示し、imp損失がなければ配信ターゲットに対して機会損失なく配信できていることを示しています。
もし予算によるimp損失がある場合は、日予算を増やすか入札価格を下げるか配信ターゲットを見直すことで改善することができます。
②ランクによるimp損失を解消する
前述の予算によるimp損失と近い概念として「ランクによるimp損失」があります。
これは似たターゲットに配信している競合と比べて「広告の質が低い」場合に機会損失が起きていることを示します。
リスティング広告は検索結果ページの広告枠をオークション形式で競合と競り合い、入札で勝ったところから上位に掲載されていきます。その際にプラットフォームとしては「ユーザーにとって良い広告を表示したい」という観点から広告の質も評価対象になっています。
この時の広告の質は推定クリック率(どれだけクリックされうるかという推定の値)、ランディングページの利便性(広告をクリックしたユーザーにとってランディングページの利便性が高いか)、広告文と検索クエリの関連性が重視されています。
ランクによるimp損失がある場合は、ターゲットに対して適切な(もしくは改善余地のある)広告と捉えることができるため、「ターゲットを拡張しすぎていないか」「広告文にメリットやベネフィットが含まれているか」「キーワードと広告文の関連性があるか」を確認するようにしましょう。
③KWのマッチタイプを拡張する
登録しているキーワードのマッチタイプを変更することで配信するターゲットを拡張し、クリック数を増やすことも有効です。完全一致やフレーズ一致のみで配信している場合は、CVRの高いキーワードから順に部分一致で配信してみてください。
ただし、部分一致は意図せぬキーワードにも配信が出てしまう場合があるため、全てのキーワードを一気に変えるのではなく少しずつ変えていくことをおすすめします。
クリック率を改善する施策を実行する
続いては配信量を増やすことでクリック数を増やすのではなく、今の配信範囲の中でクリック率を高めることでクリック数を最大化する考え方です。クリック率を改善する施策例を紹介します。
①掲載順位をあげるために入札単価を上げる
リスティング広告は検索結果ページに広告を表示しており、皆さんもそうかと思いますが「上位ページほどクリックされる」という傾向があります。
そして、掲載順位は広告ランクを加味したオークション形式で決まるため、純粋に入札価格を上げるだけでも掲載順位を上げることができます。多少CPCが上昇するかと思いますがCTRは改善することができるため、クリック数を最大化できます。
②広告文の改善
もう一つの方法が広告文の改善です。
これは前述の入札価格とは違い「広告の質を高めることで広告ランクを上げる」という考え方です。
繰り返しになりますが、オークション形式で掲載順位が決まるため入札価格に加えて広告の質も大切な要素です。入札価格を上げるとCPCが上がってしまいますが、広告文を改善し掲載順位が上がり、CTRを改善することができればCPCを上げることなくクリック率を改善できます。
改善の観点としては「広告文にメリットやベネフィットが含まれているか」「キーワードと広告文の関連性があるか」を意識して改善してみましょう。
CVRを改善する施策を実行する
コンバージョン数を増やしたい場合、母数を増やすパターンを紹介してきましたが、一方で母数はそのままに効率を改善することでコンバージョン数を増やす考え方もあります。ここからはCVRを改善する施策例を紹介します。
①掲載載順位をあげるために入札単価を上げる
ここは商材にもよりますが「検索結果ページの上位サイトで購買行動が終わる」場合があります。
皆さんもご経験があるかと思いますが、ある程度目的やサービス理解が済んでいると検索結果の上位サイトでそのままコンバージョンしたことがあるかと思います。
このように開催順位を上げることもCVRに寄与する場合もあります。ただし、不動産投資など高単価のサービスは複数サイトをしっかり回遊してからコンバージョンするかと思いますので自社サービスが「検索結果ページの上位にあることでCVRが上がる業界なのか」を分析しましょう。
②CVが出ている検索語句をKWとして登録する
地味ではありますがインパクトの大きい施策です。
リスティング広告は登録したキーワードを指定したマッチタイプに沿って拡張して配信してくれています。つまり、「登録キーワード次第で拾ってくる検索クエリが変わる」ということになります。
そのため、検索クエリで拾っていたコンバージョンが多いものをキーワードとして登録することで「コンバージョンが出ているクエリをさらに拡張して近しい成果が見込める語句をさらに探す」という挙動を取ってくれます。
こちらも何でもかんでもキーワードとして登録すると管理が煩雑になるかと思いますので、見込みの高いクエリが優先してキーワードとして登録すると良いでしょう。
③デバイスや年齢、性別などで入札調整を行う
CVRを高めるということは効率を改善することですので、今配信していて成果が良いものに予算を使い、成果が悪いものは配信を弱めたり停止することが有効になります。
BtoBなのかBtoCなのか、どんな商材でコンバージョン地点をどこに置いてるか。それによってデバイスや年齢、性別などの粒度で広告成果に差分が出ているかと思います。
配信量が少ない場合は統計的な有意差を判断するのが難しいですが、一定期間配信をしていてもCVRが低いものは積極的に調整していきましょう。
ただし、自動入札を利用している場合はこれらの入札調整を行っても適用されない場合もありますのでご注意ください。詳しくは以下を参照ください。
デバイス | 地域 | 曜日時間帯 | リマケリスト | |
クリック数の最大化 | 調整可 | 調整可 | 調整可 | 調整可 |
コンバージョン数の最大化 | 不可※ | 不可 | 不可 | 不可 |
ページ最上部掲載 | 不可※ | 不可 | 不可 | 不可 |
コンバージョン単価の目標値 | 調整可 | 不可 | 不可 | 不可 |
広告費用対効果の目標値 | 不可※ | 不可 | 不可 | 不可 |
コンバージョン価値の最大化 | 不可※ | 不可 | 不可 | 不可 |
※「引き下げ率:100%」に設定した場合のみ有効となり、該当のデバイスには広告配信しなくなります。
④無駄クエリが反応するKWの停止
これは部分一致を活用している場合は特になんですが、登録キーワードとは全く異なる意図で配信が拡張されている場合があります。
例えば「電気代 法人」というキーワードを部分一致で登録していた場合、法人向けに配信したい意図があっても媒体が「電気代 家庭用」などにも配信を拡張している場合があります。
このように思わぬ形で無駄な費用が発生している可能性があるため、部分一致を活用している場合は少し手間がかかりますが、1つずつ検索クエリの広がり方を確認するようにしましょう、
リスティング広告でCPAを下げたい場合の対策
クリック単価を抑制する施策を実行する
リスティング広告でCPAを下げたい場合、リスティング広告の課金対象であるCPCを改善することができれば同じ効率でも発生する費用をおさえることができ、結果としてCPAを改善することができます。クリック単価を抑制する施策例を紹介します。
①品質スコアをあげる
リスティング広告は検索結果ページの広告枠をオークション形式で競合と競り合い、入札で勝ったところから上位に掲載されていきます。その際にプラットフォームとしては「ユーザーにとって良い広告を表示したい」という観点から広告の質も評価対象になっています。
この時の広告の質は推定クリック率(どれだけクリックされうるかという推定の値)、ランディングページの利便性(広告をクリックしたユーザーにとってランディングページの利便性が高いか)、広告文と検索クエリの関連性が重視されています。
質の高い広告は低い入札価格でも上位掲載してもらえるため、「ターゲットを拡張しすぎていないか」「広告文にメリットやベネフィットが含まれているか」「キーワードと広告文の関連性があるか」を確認し、品質スコアを改善するようにしましょう。
②入札単価を下げる
当然と言えば当然ですが、入札価格を下げることでCPCを下げるという考え方もあります。
デバイスや年齢、性別、配信時間帯などを確認し、非効率なものがあれば入札価格を下げてみましょう。
CVRを改善する施策を実行する
前項でも解説した内容がこちらでも当てはまります。
・掲載載順位をあげるために入札単価を上げる
・CVが出ている検索語句をKWとして登録する
・デバイスや年齢、性別などで入札調整を行う
・無駄クエリが反応するKWの停止
上記施策を実行しCVRを改善することができればCPAは抑制することができます。
【まとめ】リスティング広告を改善する際は目的を明確にし、必要なアクションをMECEに分析することが重要
リスティング広告は良くも悪くも運用レバーの多いメニュー。また顕在層にアプローチできるため、初めてインターネット広告に取り組む方が多く採用するメニューです。
恐らく運用レバーの多さがゆえ、改善したいが何をしたら良いか分からなかったり似た指標が多く違いが分からない方も多いかと思います。
そんな時でも目的を明確にし、目的から改善すべき指標を特定し、振り返りとセットでPDCAを回すようにしましょう。とはいえ、リスティング広告はブラックボックスな要素が多く、公式ヘルプを読んでも分からない方が多いかと思います。
軽視していた指標が実は広告成果の重要なレバー、、、なんてこともあるため、リスティング広告運用の仕方を詳しく知りたい方はぜひ弊社までご相談ください。広告運用のプロとして貴社にとって最適な入札戦略をご提案いたします。
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