本記事は
「リスティングの広告代理店を乗り替えたいけど、どの会社が良いかわからない・・・」
「リスティングをはじめたいけど、どの広告代理店にお願いしたら良いか不安」
このようなお悩みをお持ちのマーケティング担当者の方向けの記事です。
はじめに
どんなリスティングの広告代理店に依頼するかによって、成果の良し悪しや、取引のしやすさなど大きく変わってきます。
信じられないかもしれませんが、未だに質の悪い業者も存在します。みなさんもこんなご経験ありませんか?
「現状数値の報告だけで、改善施策の提案がない」
「普段何をやってくれているのかわからない」
これから広告代理店を探す方向けに、元広告代理店出身の私がリスティングの広告代理店の選び方10選をご紹介いたします。
本記事をご覧いただき、失敗のない広告代理店探しを行って頂ければと存じます。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して広告が表示される広告です。
顕在層に広告を表示できるためすぐに成果があがりやすく、マーケティング手法の王道の施策となっています。

日本では、Google 広告やYahoo!広告(旧称:Yahoo!プロモーション広告)が代表的となります。
Google広告とYahoo!広告どちらでも同じようにリスティング広告を出稿できますが、最大の違いは掲載先です。
Google広告の場合はメインはGoogleの検索結果ページと提携サイト上、 Yahoo!広告の場合、メインはYahoo!JAPANの検索結果ページと提携サイト上に広告を出稿することが可能となります。
また、GoogleとYahoo!でも利用ユーザー層に違いがあるため、 広告する商品によって、Google広告の方が成果が良いことや、Yahoo!広告の方が成果が良いことがあります。
課金形式は広告がクリックされると費用が発生する仕組みとなり、 興味がない人=クリックしないと考えると無駄な費用がかかりにくい広告です。
SEOとの違いは?
リスティング広告とSEOの違いは大きく2点です。
掲載者にとって有料か無料か
自然検索は広告ではないためサイト上に表示されたり、クリックされたりしても費用が一切かかりません。
リスティング広告はクリック課金制度を採用しており、広告がクリックされるたびに費用が発生します。
コントロールがしやすいか、しにくいか
リスティング広告は、キーワードの入札価格や広告の品質によって広告順位付けられて表示されるため、 費用を出しさえすれば検索結果の上部に表示させることが可能です。
一方SEOは、検索エンジンのアルゴリズムによって順位付けられて表示される自然検索枠です。
上位に表示させるためには、検索ユーザーが満足するような情報を提供している、 という検索エンジンからのお墨付きをいただく必要があり、 費用をかければ上位に表示できるというものではないのです。
昨日まで上位に表示されていたのに、今日は順位が急激に下がってしまった。ということもあります・・・。
リスティング広告のメリット
顕在層に広告を表示することができる
検索という行動は、その検索キーワードに関する情報を知りたい・買いたい・使いたいという気持ちが裏側に存在します。
かつ、その気持があるタイミングに広告を表示することができるため、広告を表示させるタイミングも良いのがリスティング広告の特徴です。
既にニーズがあり、タイミングも合っている人に対してだけ広告を出すことができるため、高い広告効果が期待できる施策です。
すぐに広告出稿ができる
最短当日中にでも、広告出稿ができてしまうスピード感もリスティング広告の大きなメリットです。
広告のクリックした飛び先のウェブページさえあれば、Google広告やYahoo!広告に登録してキーワードの設定や広告文を作成し、広告審査が通ればすぐに出稿することが可能です。
各種設定を済ませたら、対象のキーワードで検索結果の上部に表示させることができるため即効性が高く、スピード感をもって集客していきたい方には非常におすすめの施策となります。
成果が悪ければすぐに全ての広告出稿を止めることも可能です。
リアルタイムで数値が確認でき、費用対効果を改善していくことが可能
各検索エンジンが提供しているリスティング広告は、管理画面からリアルタイムの現状(数値)を把握することができ、
キーワードごとの表示回数、クリック数やクリック率、コンバージョン数など詳細まで確認できます。
そのためデータをもとに、成果の良いキーワードだけ入札価格を上げ、表示回数・クリック数を増加させ、成果の良い部分に費用を寄せることで、費用対効果を上げる改善等を様々な改善を柔軟に実施できる施策となります。
リスティング広告のデメリット
費用がかかる
リスティング広告はクリック課金なので、広告出稿量を増やせば増やすほどクリック数が増え費用も増加します。
検索される頻度の多いキーワードを設定してしまったり、細かな設定ミスが発生してしまうと、多額の費用を広告費として使用してしまう可能性もあります。
SEOは上位に表示することは難しく時間がかかるものですが、クリックされても費用は掛かりません。
リスティング広告に依存してしまう
リスティング広告は出稿後、クリックされ続けるかぎり費用が発生する施策です。
逆に言うと、リスティング広告を辞めた時にはウェブページに訪れるユーザーがいなくなり、リスティング広告経由で発生していた売上が減少してしまいます。
そのためリスティング広告以外にも売上につながる集客経路を作っておくことがおすすめです。
手間がかかる
広告を出稿するまでの設定は簡単なのですが、広告を出稿して終了ではなく、細やかな運用を行い改善を行うことが最重要になるのがリスティング広告です。
キーワードの入札単価の調整、除外キーワードの設定、広告文の入れ替えなどデータを基により良くするための改善が必要になります。
この成果を出すために日々数値に向き合い、PDCAを回していくことは初めてリスティング広告を出稿する方にとっては非常に労力がかかる部分となります。
リスティングの広告代理店選び方10選

細やかな運用を行うことが重要なリスティング広告。時が進むにつれて新機能などテクニカルな要素もあります。
自分たちで運用することは難しいなと感じた方は、 広告代理店に依頼することは、スピード感を持って成果を出すためのとても良い手段です。
ただ、リスティング広告が実施できる広告代理店は世の中にたくさんあります。
優秀な会社にお願いできれば一番良いのですが、中には成果を出せない優秀じゃない会社もあります。
成果を出せない会社に依頼しても意味がありませんよね・・・?
ここからは、リスティングの広告代理店を選ぶポイント10選をご紹介します。こちらを事前に把握した上で、失敗のない広告代理店探しを行ってください!
①ビジネスモデルを理解しているか
KPIはしっかり達成してくれるが、KGIまでは考えてくれない。このような不満をお持ちの広告主がたくさんいます。
KPIは達成しててもKGIを達成できていないと御社のビジネスとしては成り立たないと思います。
例えばCV(無料会員登録)はたくさん取れるが、その先の有料会員にはつながらないキーワードに費用を寄せてしまう。
KGIまで考えてくれない広告代理店だと、広告管理画面上で見えるKPIの数値しか見ずに運用を行うため、KPIのその先の数値は最適化が図れません。
その結果「リスティング広告は費用対効果が合わないから辞める」なんてことになってしまうこともあります。
本当は費用対効果を合わせることが可能なのに、KPIしか見ていない運用のためリスティング広告が費用対効果が合わない施策だと判断してしまう。
これはもったいないですよね。
そうではなく、ビジネスモデル・御社事業の方向性などを理解し、KPIのその先のKGIまで考え広告運用ができる広告代理店を選びましょう。
②PDCAをしっかりと回せるか
日々数字に向き合いPDCAを回すことが非常に重要なのがリスティング広告です。
それなのに、現状の数値が把握できていなかったり、現状の数値を基に次の改善策がない広告代理店は、自分たちが楽をしようとしているように思えてしまいます。
実際に定例会では数値報告のみで、次の改善策の提案がないということが多々あります。
数値報告だけでは、レポートの数値を朗読しているだけで、PDCAを回せているとは言えません。
そのため、提案を受ける段階でしっかりPDCAを回せるかを見極める必要があります。
実際に取引してみないとわからない領域のため、PDCAを取り組み前に見極めるのは非常に難しいのですが、 以下2点を確認して、見極めてください。
① 提案内容に運用方針が入っているか
提案内容に運用方針がなくリスティング広告の紹介のみだけだと、場当たり的にリスティング広告を運用されてしまう可能性があります。
どのような戦略・戦術を設計し運用していくかを提案段階で提案してくれる広告代理店は、未来をみて全体設計をしているためしっかりとPDCAを回せる会社と思えます。
② 実際の他顧客への報告書を確認
報告書をみて、他の顧客にどのような報告を行っているかを確認するとPDCAの回し方が見えてきます。
例えば、定例の報告書に改善案の提案があるか。
広告代理店が開示してくれる範囲にはなりますが、週次報告などのやり取りに改善の内容が入っているかなど、
実際のやりとりに改善案があるか確認をするだけでも広告代理店選びの失敗する確率を下げることが可能です。
数値だけしかない報告書などは要注意のため具体的にどのような改善案を提案したかなど深堀って質問をしてください。
③顧客窓口担当が優秀か
広告代理店の営業担当(顧客窓口担当)が優秀かどうかで広告の成果が変わります。
なぜならば、広告代理店の営業担当とはプロジェクトの舵切り役だからです。
プロジェクトの舵切り役の営業担当が、御社のビジネスモデル、事業方針を理解した上で、成果が上がる方向へ導けるかが重要となります。
広告代理店の社内では、リスティング広告の運用者と営業担当が別れているケースがあります。
多くの広告代理店では、営業担当が御社の窓口として日々のやり取りやコミュニケーションを行い、営業担当が御社のビジネスモデルや事業方針を理解した上で目的を達成するための方向性を決め、広告運用者と連携して広告運用を行っていきます。
そのため、ゴールに向かって進むべき方向を決める営業担当が、しっかりと御社のことを理解できておらず、導く方向を間違えてしまうと求めている成果もあがらないのです。
もちろん広告運用者が優秀かも重要ですが、御社のことを理解し広告運用社に通訳するのは営業担当のため、御社の要望・方向性等をしっかりと理解し支援会社内で通訳してくれることが第一に重要です。
優秀な広告運用者でも方向性が誤っていると御社が求めている成果を出せなくなってしまいます。
④広告管理画面の共有が可能か
リスティング広告を実施する際、Google広告・Yahoo!広告どちらも御社用の広告アカウントの開設が必要となります。
この管理画面というものは、広告運用者がキーワードを入稿したり、入札単価の調整、予算配分のコントロールなどを実際に行うものです。
その管理画面を御社でも閲覧が可能か?という点がポイント。
理由は、透明性を担保するため。極端な話ですが、報告書のみでの報告だと数値をいじることも可能です。
ですが、広告管理画面では変更履歴を見ることも可能なので広告主側も見れる環境があれば不正は起きづらい。
また、しっかりと運用しているかどうかもわかるため、管理画面の共有を受けることで広告代理店と良い緊張感を持って取引することが可能です。
中にはノウハウが広まってしまうから共有できない。という広告代理店もありますが、透明性の担保・良い緊張感のある取引にするためにも、管理画面の共有が可能な広告代理店がおすすめです。
⑤費用対効果が悪い時に上限予算まで使うか
多くの広告代理店は最低発注金額を設けています。
費用対効果が合っていないのに広告費を最低発注金額までは使用しなければいけない。などの縛りがあるか事前に確認しましょう。
費用対効果が合っていないのに契約条件のせいで広告垂れ流しは避けたいですよね・・・。
費用対効果が合っていないのであれば最低発注金額まで使い切らなくても良いような、御社想いの広告代理店と取引することを推奨します。
広告代理店の営業担当や運用担当の成績は、広告配信金額が上がれば成績も上がりやすい場合は多いと思います。
広告代理店の社員が自分自身の成績のために費用対効果が合っていない広告を配信し続ける場合は、この先もずっと自分主体の仕事をするでしょう。
そもそも費用対効果が合わない時点で少々問題もあるかも知れませんが、今費用対効果が合っていなくても費用対効果を合わせるために、どのような改善を行うか次第では、費用対効果を合わすことができる可能性もあります。
⑥担当者のリソースに余裕はあるか
広告代理店の営業担当者・広告運用者が現在どのくらいの広告主を担当しているか事前に把握しましょう。
営業担当者・広告運用者がどこまで手厚く対応することが出来るのかの目安となります。
仮に100社対応している担当者だとあまり手厚く対応はしてくれないでしょう。目安は、10〜15社以下と考えると良いです。
ただ、社数だけでは一概に把握できない部分もあるため、どれくらいの予算規模かも確認できると良いかと思います。
基本的に予算額が多ければ多いほど、広告代理店側で手厚い対応を行う必要が発生するため、予算規模が大きな案件ばかり対応しているのであれば、5社以下が目安になるかと思います。
⑦リスティング広告以外の提案はあるか
リスティング広告を実施する理由は、売上を上げる・CVを獲得するという目的が多いかと思います。
そのため、売上が上がれば・CVが獲得できれば、広告の種類はリスティング広告以外でも良いのです。
例えば「サイトを改善してCVRをあげましょう・Facebook広告もやろう!」など、御社の要望にあった提案をくれるところと取引してください。
ベターなのは、御社から要望を言わなくても提案してくれる広告代理店です。
とはいえ、発注後新しい提案をくれるかどうかは取引してみないとわからない部分なので、事前に少しでも発注後も提案を行ってくれるかを把握するために、他顧客への報告書などに、新規施策の提案があるかなども見てみましょう。
⑧スピード感があるか
スピード感を持っているかを見極めましょう。
日々の改善を行いPDCAを回すことが必要なリスティング広告ですが、PDCAを回すスピードによって、より効率よく費用対効果を上げることが可能です。
成果が悪い状態で広告出稿を行う期間が短くなり、成果が悪い状態で使用する費用が少なくなるためです。
スピード感の見極め方
・問い合わせ後の連絡が早い
・問い合わせから商談の日程が1週間以内
・初訪問時から提案までの日数が早い
・入稿作業や各種作業項目の対応日数を確認
遅くてプラスなことはないので広告代理店の選定段階でスピード感を確認しましょう。
⑨認定代理店・資格などには騙されない
Google・Yahoo!からの認定代理店や、Googleが用意しているテストを受けると認定資格を獲得できる制度があります。
もちろん、認定代理店や資格をもっていることにデメリットはないのですが、そこだけで判断をすることはしてはいけません。
認定代理店も資格保有者も多数存在するのが実情のためです。
むしろ、認定代理店や資格をもっていなくともとても優秀な会社や担当者がいることも多々あります。
⑩運用手数料は妥当か
広告代理店への手数料は、広告配信費の20%前後が相場です。
それなら、安いほうが良いと思われる方もいらっしゃると思いますが、手数料が安いからと費用面だけで広告代理店を選定してはいけません。
安くても成果をあげられないのであれば、依頼している価値がないためです。
広告代理店の手数料が安い場合、実際には運用せずほとんど放置しているだけの場合があります。
そのため手数料の範囲で何をどれくらいまでやってくれるかを提案段階でしっかりと確認しましょう。
最後に
広告代理店の選定に失敗してしまうと、再度他の会社を探したり、そのためにイチから御社の状況の説明などを行うことになってしまいます。
できるだけ質の良い広告代理店を探し、御社のパートナーとして一緒に仕事ができる会社を見つけ、成果を上げることが一番良いと思います。
ぜひ本記事を参考に素晴らしいパートナーを見つけていただけたら幸いです!